皆さんこんにちは。
早いもので今年も残すところあとひと月となりました。
世間では引き続き新型コロナが猛威を奮っていますが、思い返せばこの新型コロナの被害が広まったのも1年前、2019年12月に中国の武漢市で発生し、世界に広まっていったといわれています。
実際には、ほぼ同時期にヨーロッパや日本でも新型コロナウイルスが見つかっており、本当の発生源は相変わらずハッキリしないというのが正しい見解ですね。
このように、今回のコロナ禍で気付かされたもののひとつに「正しくない情報」がもたらす被害があります。
とある為政者が「ポピヨンヨードを使ったうがい薬が新型コロナに効果がある」だとか「重症化を防ぐ」といった趣旨の発表を行い、波紋を呼びました。
うがい薬ですので、もちろん「口腔内のウイルス量を減らす可能性がある」ことは十分にありえると思います。しかし、体内に入ったウイルスや発症してしまった各種症状には一切効果がないどころか、むしろリスクすらあると多くの医師や日本甲状腺学会、日本内分泌学会、日本内分泌外科学会も否定的な見解を発表しています。
ヨウ素の過剰摂取による副作用もそうですが、強力な殺菌力で口内の常在菌を殺菌してしまうと風邪に罹患する確率が上がるといった研究もあります。2005年に「American Journal of Preventive Medicine」という医学雑誌に掲載された、京都大学の川村孝先生らの研究です。この研究では、水でうがいをしたグループは風邪に罹患する割合が36%減ったのに対してうがい薬を使ったグループは効果がなかったという結果が出ています。もちろんケースバイケースですので、正しく医師の指導のもとうがい薬を利用してください。
話を戻します。新型コロナの打開策として世界中でワクチンの開発が急がれています。ワクチンとは何でしょう?皆さんは答えられますか?
一般的にワクチンとは「弱毒化あるいは無毒化した抗原を体内に入れて、その病原体に対する免疫を獲得する医薬品」です。世間ではいつの間にか「特効薬」のように思われていますが、副反応があることや100%予防・治癒するといったものではありません。何事も正しく理解し、利用することが肝要です。
一方でワクチンに対する過度な期待やリスクに対する理解も必要です。以前SARSが流行した際、抗体があると病気が重症化する抗体依存性免疫増強(ADE)という副作用のリスクが原因で、これまでワクチンが開発中止になってきました。そのため、SARSに近い新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の抗体ワクチン開発でも、命に関わるADEのリスクが懸念されています(同じコロナウイルスの仲間であるMARSでもADEのリスクが原因でワクチンができていない)。
また、今回開発されているコロナワクチンの約3分の1は遺伝子ワクチンと呼ばれるDNAワクチン、RNAワクチンだといいます。通常10年かかるといわれるワクチンの開発期間を短縮できるためです。しかし、この遺伝子ワクチンは人体に使われた臨床データがなく、効果や副作用についてまだまだ懸念が絶えません。
相変わらず話が長いですね。失礼しました。
ようやくタイトルの話をして終わりたいと思います。ワクチンとはすなわち免疫を獲得するものであるとご説明しました。人間には元々外敵から身を守る免疫力が備わっています。この人間が本来持っている免疫力は、特定の病原体に対して免疫力を上げるワクチンと違い、すべてのウイルスや細菌に働きます。
この人間が本来持つ万能の免疫力を「自然免疫」いいます。最近では、2011年ノーベル生理学・医学賞は自然免疫に関する研究が受賞しました。同研究で、LPSがこの自然免疫を強力に活性する事が明らかになっています。
そして、この強力な自然免疫でもカバーしきれない毒素分子や小さな病原体、細胞に入ってしまった病原体に働くのが「獲得免疫」です。詳しく話すとまたしても長文になってしまうので割愛しますが、名前の通り食事等で獲得できるこの免疫で有名なのが緑茶に含まれるカテキンやブドウの色素であるアントシアニンなどのポリフェノール。こうしたポリフェノール類を「植物性IgA」と呼び、この中でも抗ウイルス作用が最も強力な物質が松かさ由来のリグニンなのです。このパワーはエイズウイルスでカテキンの100倍!驚くべき研究データがあります。
この松かさリグニンはインフルエンザへの効果に関する論文も多くあり、臨床効果も確認されています。今回の新型コロナウイルス(COVID-19)についても研究がはじまっているようですが、植物性IgAの特徴であるほとんどの病原体に反応する点、インフルエンザウイルスとCOVID-19は同じRNAウイルスである点などから考えて、研究者はその効果に強い期待を抱いています。
幅広い病原体をカバーし、副作用も一切ない自然免疫と獲得免疫。この素晴らしいチカラを最大限に発揮し、ひとりでも多くの方の健康と幸せのお手伝いをしたい。そして、改めてコロナ禍を乗り越えたいと強く願っています。